Replicant Labyrinth (ver. 2.0)

2002年7月にスーパードルフィーという60センチサイズの球体関節人形のドールオーナーになりました雪野繭です。ブログの内容は人形写真がメインです。今はCanonさんのEOS R5でドールさんたちの写真を撮っています。どうかよろしくお願いします。

2021年08月

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TBSのテレビドラマ「歴史の涙」は、1980年に放送された、

終戦記念日にまつわるクーデター物で、忘れてはならない作品です。

私の大好きな高橋幸治さんが、竹下中佐役を演じているからです。


わが大和民族には万世一系の天皇を戴く、かんながらの道がある。

 これなくして日本帝国は国家たり得ません。

 皇室の御安泰も確かめず、今、敵に無条件降伏するということは、

 日本の日本たる所以を放棄することになります。

 本土決戦もせず、すみやかに降伏すべしなどの和平派の戦争観は、

 終戦が早ければ早いほど、

 損害が少なくて済むという打算的精神に毒されているのです。


人事を尽くして天命を待てば、必ず天佑神助ありと確信し、

 あえて本土決戦を行うところに、民族精神の発展があると私は確信します。

 本土決戦で失われる1000万か2000万の国民の犠牲は、

 国体護持の大義の前には、何ほどのことでもありません。


9日の御前会議で、陛下の御聖断がポツダム宣言受諾、終戦収拾と決まって、

 和平派は力を得ています。


明日の閣議では必ず大御心を体して終戦が決定されるに違いありません。

 事態は急を要しています。

 大臣、決起に同意してください。


竹脇無我さん演じる井田中佐の発言は、ちょっと怖いところもありますが、

2000万人の国民特攻隊が出れば、神風が吹くというのは、当時の論調でした。

ですが、結局は昭和天皇の御聖断によって、日本はポツダム宣言を受諾します。


この作品で阿南大臣を演じられている小林桂樹さんは、

映画「連合艦隊」でも、山本長官を演じていて、

宇垣参謀長を演じた高橋幸治さんとはコンビでした。


あと放送会館のアナウンサー役を、私の大好きな声優の堀勝之祐さんが、

陸軍次官の若松中将を「巨人の星」の星一徹役の加藤精三さんが、

それぞれ演じています。


歴史に埋もれてしまった作品なので、是非ともDVD化をして欲しいです。

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「市ヶ谷台の将校全員が自決する、

 なるほど、それは美しい姿かもしれない。

 しかし、それは最後の最後の手段であって、

 その前に我々には成すべきことがあります。

 承詔必謹で戦争をやめるのか、

 それとも、あくまで戦争完遂を貫き通すのか、

 この2つに1つです。

 しかし井田さん、そのどちらが果たして日本のためになるのかは、

 これは結果を待たなければ、誰にもわかりません。

 いかなる人といえども、その結果の良し悪しは、

 予測できないはずです。

 とすれば、所詮は運を天に任せてのこと。

 同じ運を天に任せるなら、井田さん、我々は軍人です。

 たとえ反乱軍、いや逆賊の汚名を受けてもよい。

 直ちに宮城に入り、陛下に御諫言を申し上げ、

 決然と戦争遂行の道を採るべきではないでしょうか?

 天運がどちらに与するも、それはわからないでしょう。

 どちらに与してもよい。

 その判決はただ実行することによって決まると思います。

 井田さん、自分はすべてを今夜に、今夜一晩に賭けたいのです。

 市ヶ谷台の将校全員自決より、それの方が遥かに、

 遥かに正しいと自分は信じます。

 近衛師団との連絡は、もう付いているのです。

 必要な準備はすべて整っており、

 我々の行動によって、東部軍を始め、

 やがては必ず全陸軍が立ち上がります。」

「しかし、巨大な敵を前にして成功すればいいが・・・。もし?」

「井田さん、井田さんはまだ成功不成功を?!

 その点では承詔必謹も同じです。 

 承詔必謹で果たして国体の護持が出来るのかどうか、

 その成算は首相、海相、陸相、誰にもないではありませんか!

 だから我々は決起を!

 井田さん、是非同意してください。

 井田さん、戦争はまだ現実に続いております。

 東部軍の情報によれば、有力な敵機動部隊が、

 房総沖に近づきつつあるとか。

 すべての戦う意志を無くしたら、

 その時にこそ日本は一気に粉微塵になります。

 井田さん、今こそ我々は死を賭して、

 日本のために決然と立ち上がるべきです!」

「畑中、貴様の精神の純粋さは、

 いや、その純粋さにのみ、俺は同意する。

 しかし、行動はしない。

 貴様たちだけで、勝手にやれ。

 どうせ明日は俺もお前も、みんな死ぬんだからな。」



映画「日本のいちばん長い日」で畑中少佐(黒沢利男さん)が、

熱弁をふるうシーンです。

それを冷静に受け止める井田中佐(高橋悦史さん)の演技が、

とても素晴らしいです。

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