TBSのテレビドラマ「歴史の涙」は、1980年に放送された、
終戦記念日にまつわるクーデター物で、忘れてはならない作品です。
私の大好きな高橋幸治さんが、竹下中佐役を演じているからです。
「わが大和民族には万世一系の天皇を戴く、かんながらの道がある。
これなくして日本帝国は国家たり得ません。
皇室の御安泰も確かめず、今、敵に無条件降伏するということは、
日本の日本たる所以を放棄することになります。
本土決戦もせず、すみやかに降伏すべしなどの和平派の戦争観は、
終戦が早ければ早いほど、
損害が少なくて済むという打算的精神に毒されているのです。」
「人事を尽くして天命を待てば、必ず天佑神助ありと確信し、
あえて本土決戦を行うところに、民族精神の発展があると私は確信します。
本土決戦で失われる1000万か2000万の国民の犠牲は、
国体護持の大義の前には、何ほどのことでもありません。」
「9日の御前会議で、陛下の御聖断がポツダム宣言受諾、終戦収拾と決まって、
和平派は力を得ています。」
「明日の閣議では必ず大御心を体して終戦が決定されるに違いありません。
事態は急を要しています。
大臣、決起に同意してください。」
竹脇無我さん演じる井田中佐の発言は、ちょっと怖いところもありますが、
2000万人の国民特攻隊が出れば、神風が吹くというのは、当時の論調でした。
ですが、結局は昭和天皇の御聖断によって、日本はポツダム宣言を受諾します。
この作品で阿南大臣を演じられている小林桂樹さんは、
映画「連合艦隊」でも、山本長官を演じていて、
宇垣参謀長を演じた高橋幸治さんとはコンビでした。
あと放送会館のアナウンサー役を、私の大好きな声優の堀勝之祐さんが、
陸軍次官の若松中将を「巨人の星」の星一徹役の加藤精三さんが、
それぞれ演じています。
歴史に埋もれてしまった作品なので、是非ともDVD化をして欲しいです。